かつて日本は世界有数の金の生産量を誇っており、旅行客からは「ジパング」(黄金の国)と紹介されることもありました。日本の金鉱山は佐渡島の佐渡金山が有名ですが、伊豆半島も金の産出で知られています。その歴史を振り返ると伊豆半島を代表する金鉱山は伊豆・土佐金山です。江戸時代に第一時黄金時代を向かえ、時代が下って明治から昭和にかけて第二次黄金時代を迎えることになります。産出量は佐渡金山についで日本第二位を誇り、1965年に枯渇のために閉山するまで推定金40トン・銀が400トンと見られているほどです。

伊豆 土肥金山

事業活動としての金採掘は終了したものの、豊富な自然に恵まれた周囲の景色のロケーションは最高で土肥地区のパワースポットとして観光スポットになっています。現在では土肥マリン観光会社が保有しており、観光用として利用されているそう。博物館には観光坑道が整備され当時の金採掘に従事する工夫たちの作業風景が、人形で再現されています。

観光公道内部は支柱で支えられており、適度な距離で証明が設置されているのでひんやりした空気の中、いかにも鉱山内部を訪れているとの印象を与えます。

事業レベルでの金は枯渇したものの、砂金とりで採取できる程度は現在でも周辺で確認されており、土肥鉱山内部の施設では砂金とりのワークショップや体験会が開催されており、金の採取を気軽に体験できます。博物館である黄金館には、250キロの金塊が展示公開されています。件の金塊は世界最大規模のサイズでギネス世界記録にも認定されており、文字通り世界最大の金塊との評判です。博物館めぐりや砂金採取体験でおなかがすいたら、施設内部のレストランで腹ごしらえをすることもできます。施設屋外には広々としたグラウンドが整備されており、家族連れや友人同士でレクリエーションやスポーツを楽しめる環境も整っています。毎週日曜日には、「キラキラ金山ジオツアー」が開催されています。このジオツアーの語源は、大地を意味する「ジオ」と公園を意味する「パーク」を組みあわせたというものです。つまり「大地の公園」で金をうみだす地球(ジオ)を学び、公園を丸ごと楽しめるというコンセプトで開催されているそう。

最近では土肥金山名物「金のマスク」が、人気を集めています。一つひとつ手作りで布地の生地の表面に金色の布を使用しているのが特徴です。しぶい金色の色身で派手な印象ではなく若干、落ちついた雰囲気を感じさせます。