久能山東照宮を訪れる

東照宮といえば栃木県の日光が有名ですが、静岡県にもあることをご存知でしょうか。その名は久能山東照宮。ここは徳川家康公の遺命により1617年(元和3年)に創建されたもので、実際にも家康公が埋葬されている、歴史と由緒のある神社です。まさに日本国内を代表する歴史スポットの1つと言えるでしょう。もちろん静岡県内有数の観光スポットでもあり、年間を通じて県内外から大勢の観光客が訪れることで知られます。

久能山の頂上にある境内にある建築物は、創建時における最高水準の技術を集めて造営されたものばかり。国宝の本殿や石の間あるいは拝殿をはじめ、重要文化財の唐門や玉垣そして神楽殿、さらには家康が埋葬されている廟所の宝塔など、貴重な歴史的建造物を数多く目にすることができます。

久能山東照宮の建築物の特徴で有名なのが、権現造りと呼ばれる神社建築様式。これは本殿と拝殿を石の間でつなぎ、一体化させた構造を大きな特徴とします。石の間は両者の建物よりも一段低い造りとなっており、渡り廊下としての役割も果たします。もともと近世の神社建築として各地で見られた権現造りですが、久能山東照宮の創建が契機となって、全国規模で普及したと言われています。

建築物以外の見どころとしておすすめしたいのが、同じ境内にある久能山東照宮博物館です。これまで神社に奉納された、総数およそ2000点もの収蔵品が集まる、見どころ満載の博物館で知られます。特に家康公が日常生活で使用していた品々をはじめ、徳川歴代将軍の武器や武具など、魅力あふれる宝物が充実しているのが大きな特徴。その中でも、当時のスペイン国王フェリペ3世から贈られた洋時計は、この博物館の目玉の一つ。これは国内最古のゼンマイ式の時打付時計であり、国の重要文化財にも指定されている貴重な名品です。さらに家康公以外の歴代将軍に関する、数々の展示物も見逃せません。例えば、徳川最後の将軍で知られる慶喜公が、趣味で愛用したカメラや釣り道具の他、ナポレオン3世より贈られた軍帽など、見応え抜群の品々が豊富にそろいます。

久能山東照宮はアクティビティを楽しむスポットでも有名です。というのも、山麓から山頂まで続く表参道の階段数は、なんと1159段。17曲がりある階段をくねくねと登りながら、眼下に広がる駿河湾の壮大な景色を楽しむことができます。まさにちょっとしたハイキングには最適なスポットと言えるでしょう。