静岡県の下田にある宝福寺は、歴史的な観光名所の1つとして人気で、観光客の間でも評価されています。下田の宝福寺の概要を紹介すると、1559年に創建された浄土真宗本願寺派のお寺で、幕末時代の下田奉行所跡でもあります。

江戸時代に作られた親鸞聖人像、延宝5年親鸞聖人絵伝などが有名で、本堂前には坂本龍馬像が置かれていることでも知られます。像といってもいわゆるブロンズではなく、木を彫って作られていることから歴史の長さを感じさせます。敷地内では勝海舟や山内容堂の謁見の間が再現されているので、幕末の時代に浸ったり思いを馳せることが可能です。
幕末時代といえば、1854年に行われた日米和親交渉の日本全権の本陣として活用され、歴史に名を刻んでいます。坂本龍馬はこの時、脱藩の罪の許しを請い許されたとされます。本堂の右前には桜の木が生えており、お吉桜の名前で知られています。お吉というのは幕末時代の伊豆下田の船大工の娘で、美しさに惚れた総領事タウンゼントハリスの妾になりました。ところが、迫害を苦に下田川に身を投げてしまい、悲劇として語り継がれたり宝福寺で眠っていることから、桜の木にお吉と名づけられたわけです。
悲しい歴史がある場所ですが、宝福寺自体はとても穏やかな環境で、気を静めたりのんびりと過ごすことができます。時間の流れがゆっくり感じられますから、この地に眠る人達の魂も穏やかに眠っていると思われます。敷地内にはお吉のお墓もあるので、手を合わせることが可能となっています。お墓の隣にある吉祥観世音菩薩像はお寺のシンボルですが、実は小さいサイズで、接近して見ると手に取るように細部まで分かる大きさです。
また、長寿亀は腰を掛けると長生きするという言い伝えがあって、観光の名物になっています。記念にご朱印をいただくことができますし、お寺自体は基本的に年中無休ですから、いつでも気が向いた時に足を運べます。対応を行っている時間は午前8時00分~午後17時00分の間で、団体客の受け入れもあります。入場料は小学生以下が無料、中高生は200円で大人は400円です。トイレありで売店の利用も可能ですが、食事をできる場所はないので、お弁当の持ち込みは不可能です。ツアーを利用すると、20~30分ほどでお寺全体を見て回れますから、短時間で楽しむことができる場所です。解説があるとより歴史の理解が深まり楽しめますから、解説に耳を傾けながら見て回るのがおすすめです。